「ケイちゃん、ほら! 海だよ海! 泳ごう!」
「バカバカしい…子供じゃあるまいし、海で泳ぐなんて考えられないね。第一知っているのか? 海にはバイキンがうようよしているんだぞ。平均すると海水1ccあたり、10万〜100万の細菌がいるといわれているんだ。中には傷口から入ると命にかかわるような恐ろしい細菌も」
「はい、ケイちゃん! 浮き輪!」
「さあ、泳ごうか!」


「あたしさー、晴れのことを『いい天気』って呼ぶの、キライなんだよねー」
「ほう? なんでまた」
「だってさ、どんな天気が『いい天気』なのかって、状況によるじゃん? 雨が続いていたら晴れは確かに『いい天気』だけど、日照りの時は雨の方が『いい天気』なわけでしょ?」
「まあ確かに」
「だからぁー、今日みたいなのを『いい天気』とは呼びたくないわけよ! 毎日毎日猛暑で、いいかげんうんざりするわ!」
「なるほど…だがしかし、俺はやっぱり今日は『いい天気』だと思うな」
「? さっきから何ジロジロ見てるのよ?」


これは単なる落書き。いやどれも単なる落書きなんだけどw


「お、奥さん…いけませんよこんな…!」
「うふふ…いいじゃない。お互い暇なんだし、遊びましょうよ。うちの旦那ってば、最近全然かまってくれないのよ」
「ダ、ダメです…! わたしには愛する妻が…!」
「そんなこと言って、ほら、ここはもうこんなに…」
「ああ…!」

「…というプレイをしたいんだけど、今夜どうでしょうか嫁さん」
「自分の女房に性癖を告白した勇気は認めてあげるわ」


「いつもいつも遅刻ばかりして…悪い子はおしおきだ」
「あぁんっ…せ、せんせいっ…!」
「どうした、そんないやらしい声を上げたら、外に聞こえてしまうぞ?」
「せんせい…お願い…もっと…」
「もっと?」
「もっと、みんなの前で…」
「え…なにどういうこと」
「わたし、校庭の真ん中で、見られながらしたいの…」
「いやあの、せ、先生としては見られるとマズいんだが」
「いうこと聞かないと大声出すわよ」
「(逃げ場がない…ッ!)」


「最近みんな、忘れ物が多いわよー? しっかりしないと駄目よ」
「せんせー、おっぱい出てます」
「あらいけない、しまうの忘れてたわ」
「どういう忘れ方ですか」
「うふふ、お昼休みに校長先生がね」
「訊いてません」


「ネット用語豆知識! 『あらかわ』は『あら、可愛い』の略よ!」
「自分でいうなよ荒川さん」


「ったくもう…突然ヌードデッサンのモデルをやってくれだなんて…」
「いやあ悪い悪い(カリカリ)」
「あんたに絵の才能があるのは昔から知ってるけどさ。ここまでやってくれる幼馴染なんて、いないわよ普通?」
「うんうん、わかってるわかってる。ホント感謝してる(カリカリ)」
「…だからさ、その…あたしたち、ただの幼馴染とかじゃなくてさ…」
「うんうん、そうだね(カリカリ)」
「…ちょっと! ちゃんとあたしのこと見てよ!」
「うんうん、見てる見てる(カリカリ)」
「(怒)」



「ご主人様、クイズです! 上は大火事、下は洪水、さてなーんだ?」
「上が大火事? うーん、わからないな…正解はなんだい、メイドさん
「正解はぁ、今のわ・た・し! 体は火照って大火事で、アソコはもうビショビショ…♪」
「なるほど…」
「うふふ、ご主人様、早くぅ♪」
「しかしメイドさん。その体位だと腰の位置が体より上だから、上が洪水で下が大火事なのでは」
「 」



「こ、今度こそ…ご主人様、ちゃんと答えてくださいよ!? 当たったらもれなくエッチなご褒美が待ってますからね!」
「わかったわかった」
「上は大火事、下は洪水。なーんだ?」
「お風呂」
「…えっ? ご主人様、お風呂は下が大火事じゃ」
「いや風呂の水は対流している。だから風呂の上の方は熱く、下の方は冷たい。だから上が大火事で下が洪水だ」
「…………」
「どうしたメイドさん?」
「ご主人様のいじわる…(泣)」


紫外線と市街戦。これを描いたのは、とても、とても暑い夏の日のことでした…。
自分でも何を描いているんだろうと思ったり思わなかったり。


「ほらほら課長、これもいいでしょー。無修正っすよ無修正」
「いやだからこれ無修正だったらおかしいだろこの子。胴体がないぞ」


「お、おいユウコ…無理して飲み込まなくていいんだぞ?」
「ううん…タカシくんが喜んでくれるなら、わたし、頑張る…」
「ユウコ…」
「ん…………ごく」
「……」
「不味い! もう一杯!」
「青汁かよ」


「へっへっへ、まだ口を割らないのかい嬢ちゃん」
「んぐっ…」
「嬢ちゃんが知ってることを全部吐かないと、こうやって毎日凌辱されるんだぜ。どうだいそろそろ言いたいことがあるんじゃないか」
「あ…」
「あ?」
「あしがみじかい」
「それは作画上のミスだ(泣)」


「やった! 新記録!」
「おいばかやめろ」
「次はギネスに挑戦!」
「やめてくださいしんでしまいます」


「キャッ…! ちょっとそこのあんた!」
「な、なんだよ」
「今見たでしょ! わたしのパンツ!」
「そ、そんなの見てねえよ」
「ウソ! 絶対見た! だって顔赤いもん!」
「違うって! パンツなんて見てねえって! だってお前!」
「なによ!」
「……パンツ履き忘れてるだろ……」
「……………………………あっ///」


「えへへ、お兄ちゃん…なんだか夢みたい。お兄ちゃんとこんな関係になれるなんて…」
「にゅるにゅる」
「ずっと黙ってたけど、わたし…前からお兄ちゃんに憧れてたから…」
「にゅるにゅる」
「でも、話を聞いてホントにびっくりしたわ。わたしが本当はダンジョンの隅っこに捨てられていた赤ん坊で、パパとママが拾って育ててくれたなんて」
「にゅるにゅる」
「パパもママも黙ってるんだもん…もっと早く教えてくれてたら、こんなに悩まないで済んだのに。お兄ちゃんのこと好きになるなんて、なんていけない妹なんだろうって、すっごく悩んだんだから…」
「にゅるにゅる」
「…え? 『普通、血がつながってないことぐらい言わなくても気付くだろ』って? なんで?」
【触手お兄ちゃん:完】


「ふむ…これはなかなかの逸品。マスター、もう一本いただこうか」
「お客様申し訳ございません、私のイチモツは一本しかございません」


女の子ー。

会社の仕事中にメモ帳に落書きしたのを、ちゃんとペン入れしてみるテスト。


温泉ー。
あんまり温かくなさそうなのは画力の欠如。


「だーれだっ♪」
「手の位置がおかしいでしょ!?」



「見てくださいよ課長、この無修正画像」
「ちょっとまて、これが無修正だったらこの娘は人間じゃないぞ」



はっちゃけ北上様ー。

家「久しぶりにここでも書くか」
え「ちょ、ホントになんでいきなりこんなところ更新してるんですか。マンガ描いてくださいよ。二か月くらい更新止まってるじゃないですか」
家「いや、単にはてなダイアリーのIDとパスワード忘れてないか試しにログインしただけなんだけどw ログインした以上なんか書いておこうかなーと」
 
家「そういやツイッターは便利なんだけど、長文を書くのに向いてないから、語りたくても語れないのよね。フォローしてくれてる人に迷惑だしー」
え「短くても意味不明なツイートは迷惑だと思います」
家「頭に浮かんだことをそのまま垂れ流してることも多いからなあw」
 
え「アベノミクスに否定的というか、不安があるみたいなツイートしてましたけど」
家「いやあ、心配するのが普通だろうw もともと俺は、政府方針として他の問題は全部後回しにして経済対策に注力するというのは賛成なの。理由は『お金があれば大抵のものは解決できる』から」
え「どこかの悪代官みたいなセリフですねw」
家「でも事実だろうw だけど、意図的な円安誘導とかになってくると、ホントに悪代官的というか、そこは市場経済の聖域じゃないかなーって思っちゃうわけですよ」
え「円安反対ってことですか?」
家「1ドル70円代は明らかに異常事態だったので、90円台に戻してるのは正常化だと思う。けど、これが150円台とかまで進行したら逆方向に異常事態かなーと。バブル景気って実体経済との乖離が問題だったわけだけど、要は日本の今の実力に見合ったレートで収めないとどこかで破たんする…んじゃないかなー」
え「実体と乖離して円安が行き過ぎても、どこかでおかしくなる(たぶん)ってことですね。家主さんの意見としては」
家「人為的に円安にすることができるなら、よその国もやるので、結果的に何も変わらないんじゃ?ってのもある」
え「円安競争ってやつですね」
家「あとはー、ほら、エネループ
え「え? ああ、発売元がパナソニックになって、デザインが変更されちゃった件ですか」
家「ひどいと思わなかったか」
え「ひどいですねw これまで築いてきたエネループのブランドイメージが一瞬にしてガラガラとw」
家「こういうことを平気でやれちゃう日本の大企業が、仮に円安の効果で復活しても、俺はいいことだと思わないんだよ。理想論かもだけど、やっぱ画期的な新商品だったり新市場の開拓だったり、冒険を乗り越えて復活してもらわないと」
え「なんかー、家主さんは白川総裁寄り? あ、元総裁か」
家「まて、まだ辞めてないw 経済なんて詳しく知らないけど、発言聞いてるとたぶん似たような発想がベースにある気がするね」
え「もし家主さんと同じ発想だったら、失敗して当然ですね」
家「うん、俺もそう思うw 俺が考えることは大抵失敗するからw」
 
家「お金って、国家の血液なわけだよ。お金が動いた分、物が動く。毎月10万円もらって10万円使うのと、100万円もらって100万円使うのでは、どちらも貯金は0円だけど、使った分の物が手元に残る。だから赤血球が酸素を運ぶように、お金は物を運ぶわけだ」
え「なるほど、デフレはいわば貧血状態ってことですか」
家「そう考えると、インフレ政策は、大量に輸血したり血管を拡張することで血流を良くする政策ってことだ」
え「血流が良くなるのはいいことじゃないですか」
家「でも一時的に体力は回復するけど、病気を治さないとまた入院することになるだろ」
え「でも体が弱った状態じゃ、病気を治すこともできないじゃないですか。手術に耐える体力も無かったりとか」
家「…まあ、なんかニワトリと卵のどっちが先?みたいな議論っぽいな、これは」
え「さっきの『お金は物を運ぶ』って話ですけど、家主さん何か欲しいものあります?」
家「あー、そこも気になるなあ。デフレだから物欲が薄くなってるのか、物欲が薄いからデフレなのか。俺、実家暮らしだからだけど、お金より時間が欲しい」
え「そういう社会人は多いんじゃないですかね」
家「ネットのおかげで、1億総クリエーター化みたいなことになってるじゃない。それなら、何かを創造するための時間やツールが欲しいって人が増えるのは当然なわけで。実はそこに復活のカギがあるんじゃないかって気もするんだよね」

http://d.hatena.ne.jp/KenAkamatsu/20101209/p1
え「前回、前々回に続きまして」
家「今回もJコミについてです」
え「やけに気にしてますねー」
家「いやだから、俺は電子書籍の会社で働いてるんだってばw 気になるよそりゃあ」
 
え「βテストの途中報告とか記者会見とかあって、色々情報が出てきましたが、なんか思ってたより壮大な構想っぽいですね?」
家「んー……大丈夫なんだろうか本当に」
え「家主さん的にどの辺が気になります?」
家「まあいろいろと……自分の生活保障から出版界全体のことまでいろいろとw」
 
家「まあ、今回はとりあえず、『Jコミの構想がうまくいったとして』というところから話をしたいと思うんだ」
え「そうですね。心配ばっかりしててもしょうがないですし」
家「Jコミ構想で気になるところとして『新刊じゃないから出版社も困らない』っていうのがあるんだ」
え「困らないでしょ? 絶版=もう刷らない=出版社にとって儲けゼロ、なんだから」
家「もし現状の出版界がうまくいってるんならそうなんだけど。みんな知っての通り、出版界はとっても不況で本が売れない状況です」
え「知ってますよ。返本率40%とか、それもう無理だろって感じですよね」
家「で、売れなくなった分をなんとか埋め合わせる方法はないのか? そうだ、電子書籍! ってことであちこちの会社がいろいろやってるわけですよ」
え「うんうん」
家「それがJコミが成功すると、この電子書籍市場から得られるはずだった利益がすべて作家本人に流れることになるので、出版社は一銭も儲からない」
え「そんなの自業自得じゃないですか。資本主義って奴ですよ」
家「まあそうなんだけどw なんにせよ、Jコミが成功する=出版界は現状のまま=たぶん出版社は近いうちに壊滅、となりかねないんだ」
え「だーかーらー、そんなの自業自得でしょ! マンガ家&読者の知ったことじゃないってば!」
家「でも、Jコミは『新刊は紙で出版社から出す』という構想なんだよ。出版社が潰れたら新作の供給が途絶えるぞ」
え「う。……いや、それなら新作もJコミから出せばいいんですよ」
家「さすがにそれはキツいって。仮に原稿料1万円で単行本一冊150ページだとしたら、制作費だけでも150万円かかるんだぞ。
 まあでも、PDF1ファイルを50ページくらいにして、広告を多めに入れればペイするかな?」
え「んー……それはちょっとビミョーですね」
家「大体『単行本がでなきゃマンガ家は赤字確定』っていうけど、仮に原稿料1万円・単行本150ページ 一冊500円・初版1万部だとしたら、マンガ家さんが手にするはずのお金は合計200万円。
 だけど単行本が出なくてもそのうち3/4にあたる150万円は連載の時点で支払われてるわけだから、編集部の鬼! って騒ぎすぎるのもどうかなあと思う」
え「新人さんはそんなに原稿料高くないでしょー?」
家「うんまあ、余談だからそんなにツッコむなよw
 ともかく、俺の意見としては、新作の供給を途絶えさせないためにも出版社に一定の支払いをするべきだと思う」
え「なんで!! 何もしてないじゃん、出版社!」
家「もちろん、何もしてなかったらお金はもらえないよw
 ここで出版社の仕事として出てくるのが、原稿データの提供ですよ。Jコミはユーザーパワーで原稿(というか単行本のスキャンデータ)を集める構想だけど、これにはどうしても疑問符がつく。
 一つはクオリティの心配だけど、もう一つは『誰がそれをチェックするのか?』という根本的問題」
え「Jコミの人でしょ?」
家「チェックしようと思ったら原本が必要だろう」
え「そうですね」
家「原本があるならユーザーに頼らなくたっていいだろう」
え「……そうですね。よく考えたら」
家「電子書籍の中の人として実体験を話させてもらうと、中身の取り間違えってわりとよくあります。
 コミックスだと思ってたら文庫版のデータだったとか。
『禁断のH&ラブ ぜんぶ見せますっ!!』だと思ったら『あぁん…体が欲しがる絶品H&ラブ ぜんぶ見せますっ!!』だったとか」
え「なんですかその本w」
家「笑うな、天下の講談社様だぞw 電子書籍用に読みきりをまとめたものなのかな?
 まあともかく、そこで出版社の持つデジタルアーカイブの出番ですよ。なにしろプロ仕様なんだからクオリティは問題ないし、単行本そのもののデータだから底本と照らし合わせてのチェックは必要ない。
 実際にはいろいろまずいものが入ってることもあるので、ノーチェックってわけにはいかないんだけど、その辺の作業も含めて出版社にやらせればいい」
え「まずいものって?」
家「作者の写真とか。古いマンガにはよくあるんだよ。特に少女マンガ家が女の子のスターだった時代の少女マンガ」
え「うーん……まあ、出版社がデータを出すなら、それ相応の代金を受け取る権利があると思いますけど……
 いくら取る気?」
家「んー、広告収入の3割」
え「ふざけんな!」
家「(笑) いや、普通の書籍の価格構成比だと印税10%版元粗利32%ってデータを見つけたから言ってみただけだが」
え「いくらなんでもボリすぎです。身の程を知れ!」
家「わかったわかった。まあ、普通の本だと原稿を出した作者の取り分が10%なんだし、この場合も原稿データを提供した出版社は10%の取り分、でいいんじゃね?
 それでやってけるかどうかは別問題だけど」
 
家「もう一つの懸念点。これはみんな思ってると思うけど、クリック保証型広告はやっぱりマズイんじゃね? ってこと」
え「えむはいっぱい応援クリックしましたよー。えへん」
家「やめろってばw それ、どう考えても広告主に迷惑だから」
え「でも、クリック保証型がいいって広告代理店に薦められたって赤松先生がブログに書いてますよ」
家「うん」
え「ほらほら、インプレッション型だと1DL 0.1円にしかならないって」
家「うんうん」
え「インプレッション型だとー、今の時点でラブひなのDL数が200万ぐらいだからー、20万円。
 ふざけんな!」
家「(笑) お前ちょっとカルシウム取れよ。ほらちりめんじゃこ」
え「もぐもぐ。……ともかく、ありえないでしょこの金額じゃ。家主さんだって書いてたじゃないですか、作家が100万円ぐらい手にしないことには納得できないって」
家「うん。でも、実際にPDFを見て考えが変わったというか。
 そもそも、クリック保証型っていうのは『何年かかってもいいから確実に、広告に興味のあるお客を○○人集めたい』っていう広告なんだよ。
 今回のテストで、Jコミはクリック率が高いっていう結果が出たらしいけど、クリック保証型だとそれは必ずしもいいことじゃないのね。興味がない人までクリックしてる可能性が高いから。
 まして広告期間が終了した後もPDFは世間に出回るわけで、『広告に興味はないけど応援クリック!』ってのが永遠に続くとすると、それは企業からしたら迷惑そのものだろう。直帰率が増えるだけだし」
え「がーん。えむの熱烈なファンコールが……」
家「それに対してインプレッション型は、『誰でもいいからとりあえずクリックしてくれよ!』っていう広告なの。
 こちらではクリック率は高ければ高いほどいいし、広告期間の終了後にPDFが出回っても問題ない。多分だけど」
え「だけど安い。でしょ?」
家「うん。でね、よく考えたんだけど、この『クリック保証型 1クリック30円 インプレッション型 1DL 0.1円』っていうのは、バナー広告の値段設定なんだよ。これも多分だけど」
え「多分ばっかりw」
家「うるさい、俺も広告の中の人じゃないから詳しくは知らんw でも前に会社でバナー広告出したとき、そんな価格提示だったと思う。
 それでだよ。今回のJコミ構想に、バナー広告と同じ価格設定をするのが間違ってるんじゃないか? と思ったのだよ。
 かたやウェブサイトの上とか下とか右上とかに、300×250pxとか728×90pxの広告。
 一方Jコミは1170×827px。
 面積比でいうと、Jコミはバナー広告の12倍〜14倍の大きさなんだよ。だったら単純に、インプレッション型でも1DL1.2〜1.4円取っていいんじゃね?」
え「なるほど、それならえーと、71万〜83万DLで100万円になりますね!
 ……それでも結構大変な数字ですけど」
家「うんまあw でも、不可能な数字じゃないだろう。ネットの世界で70万〜80万DLってのは。
 素人の俺のサイトだってなんだかんだで30万hitまで来たし」
え「何年かかりました?」
家「10年くらい。うるさいな! ともかくクリック保証型だと広告主が全然winじゃないので、インプレッション型で価格を高めに設定する、というのを提案したいのです」
 
え「でもー、全体の雰囲気として、家主さんはJコミに否定的ですよね?」
家「うん。だって俺が仕事を失うからw」
え「(笑)」
家「まあ、そういう私情を抜きにするとしても。
 Jコミがうまくいったとすると、ほぼ間違いなく起こる現象は本の価格上昇なんだよね」
え「うーん、買わずに待てばそのうちタダで読めるんだから、買い控えは起こりますよね」
家「うん。要は今のアニメ業界と同じで、一般人は無料のPDFを、マニアは高額な紙の本を、っていう構造になると思う。
 あるいは本にいっぱいおまけを付けて付加価値を上げる。これはもう既に始まってるけどね。
 本好きとしてはやっぱり、本当にそれでいいのかー? って思っちゃうわけですよ」
え「そうですねー。紙の本が大衆のものじゃなくなるのは辛いですね」
家「もう一つ。Jコミがやろうとしてるのは結局、マンガ1冊の価値を極限まで下げることなのよ」
え「なにしろタダですからね」
家「そうすると、マンガは完全に読み捨てられるだけの存在になっちゃうんじゃないか……っていう懸念がかなりある。
 ネットの世界って、データとしては確かに永遠に残るんだけど、コンテンツとしては間違いなく消費されるでしょ。それもものすごい勢いで。
 かつて一世を風靡したあのサイトやらあの動画やら、今では省みられることもなく」
え「先行者とか」
家「よりによってそれを出さなくてもw
 紙の世界だと、時々過去を振り返るような企画が持ち上がって、かつての名作とか隠れた傑作とか再度スポットライトが当たることがあるんだけど、ネットだとあんまりないんだよ。
 もっともこれは、ネットの歴史が浅すぎるせいかもしれないけど」
 
え「んー。心配は分かるんですけど。
 でもですね、マンガがこれほどの一大産業になったのは、他の娯楽にない優位性があったからだと思うんですよ、えむは」
家「優位性?」
え「それはモバイルってことです。かつてモバイルで楽しめる娯楽は、マンガだけだったんですよ。
 それが今ではゲームも電話もTVも、みーんなモバイルになっちゃった。そりゃシェアを失うのも当然ですよ」
家「そうだねえ」
え「すべての娯楽がモバイルで楽しめる時代に、マンガ、というか書籍がどうやって生き残ればいいのか? っていう話ですよ。
 Jコミが正解かどうかはまだわからないですけど、コンテンツ価格を0円にするというのは、確かに一つの回答だと思います。
 そこまでしてようやく、モバゲーとかワンセグとかと同じ土俵に立てるんですよ。そう、戦いはまだ始まったばかりなんですよ!」
家「なんで打ち切りマンガ的なオチなんだw」