家「現在ネットで話題沸騰中の、赤松健先生によるラブひな全巻無料DL実験について。ちなみにこれを書いてる時点では実験開始から二日目なんだけど、一日目で既に30万DLを突破。
 一方で赤松先生自身による『ち、ちょっと!45万ダウンロード超えてるのに、ラブひな巻末の「アマゾン・アフィリエイト」購入者数がゼロってどういうわけ?!(笑)』というツイートが嵐のごとくリツイートされまくってるという状況ですw」
え「いやー、熱いですね!」
家「うーむ、なにしろ俺自身が電子書籍配信の会社に勤務しているのでどちらかというとビクビクしてるんだがw」
 
え「家主さんはどう見ますか? 赤松先生提唱の『絶版図書を広告入りPDF化して無料配布』というビジネス。成功すると思います?」
家「そうだなー。今回の実験はラブひなっていう大ヒット作品を使った、いわば最大値調査なので、結果に振り回されないでほしいかな。本来の、絶版になっちゃうぐらいにヒットしなかった作品をちょっとでも現金化する、というビジネスはもっと細く長く行われるべきものだから」
え「……成功するかどうか訊いてるんですが」
家「えーとだから、ほそーくながーくやる分には成功するんじゃない? 人件費はボランティア程度で済ませれば。ていうか、赤松先生の構想的にはそうっぽいんだけど、なんか周りがえらく盛り上っちゃったからちょっと心配で」
え「盛り上がるのはいいことじゃないですか」
 
家「んー……まあ、まず、今回のビジネスモデルについてちゃんと説明をすると。
 無料配布の広告モデルってところに目がいきがちだけど、やってることとしては『昔A社で発売されていたマンガを新装版にしてB社から再発売する』っていうのとあまり変わらないのね。
 ほら、メディアファクトリーがよくやってるでしょ。もともと小学館で出てた『エリア88』の文庫版を発売したりとか、学研で出てた『マップス』の文庫を発売したりとか」
え「ああ、そういえばありますね。なんでこの会社から単行本が出てるんだろ?っていうマンガ」
家「うん、それと同じ。なので、元の出版社がちゃんと版権放棄を行っているのなら、その後作者がその作品をどうしようと文句を言われることはないんだけど。
 問題は、版権ってそう簡単には手放してくれないんだよねw」
え「そりゃそうですよねー」
家「一般に『絶版』っていわれている作品の多くは、単に『品切れだけど追加生産の予定はない』っていうだけで、版権放棄まで行われていないと思う。なのでもし本気で赤松先生のビジネスに乗りたい人がいたら、自分で出版社に連絡して版権を取り戻さないといけないんじゃないかな」
え「それはちょっとめんどくさそうですね」
家「その辺でいうと、復刊ドットコムあたりがいろいろノウハウを持ってそうだし、協力を仰げないものかな。『瞳ダイアリー』が復刊した時は感動したw」
え「なに買ってるんですかw」