家「マンガ版『痴漢男』 長いから寝る前とかに読むのは危険だぞw」
http://passionate1842.web.infoseek.co.jp/manga.htm
え「面白かったー」
家「ああ、面白いさ、チクショウ! コノヤロウ、絵も上手いしさ!」
え「誉めてるんですか、けなしてるんですか(笑)」
家「同じマンガ描きとして敗北は絶対認めない(笑)。
 まああえて欠点をあげるなら」
え「ホントに悪あがきしますね」
家「うるさいな。欠点をあげるなら、あんまりネット関係ないってことかなあ。本人はスレの住人に励まされたのかもしれないけど、少なくともマンガ版を見る限りではほとんど無関係というか」
え「まあ、告白したりってのは結局最後は本人の決断にかかってますし」
家「痴漢と間違えられたのがきっかけだけど、最終的には三角関係の解消が問題になってるので、そう考えるとごく普通のラブストーリーなんだよね。ただ、その細部の描き込みが丁寧というか、多分実話なのでちゃんとリアルにできてるから面白いし感動するわけで。
 ただねえ、これはイチャモンでも何でもなくてマジな話なんだけど。こういうマンガは作品としてはいいんだけど、作家としてはよろしくない面があるのよ」
え「はあ」
家「マンガ家って、面白い話を描くのが仕事じゃないんだ。面白い世界を描くのが仕事なの。よく『鳥山明ワールド』なんて言い方するけど、要は話そのものよりも作者のイマジネーションが売り物なのね。
 マンガに限らず創作ならみんなそうなんだけど、特にマンガは顕著。だから本当は、こういう世界を自分の中に持ってる人間じゃないとこういうのを描いちゃいけないの」
え「世界って言われても」
家「んー、俺は○○節って言い方もするんだけど、要はその人なりのリズムとかダイナミズム。
 例えば高橋留美子先生のマンガには嫉妬やプライドが出てくるけど、友情はあまり出てこない。そんな感じ。
 そこが売りになってる限り話はいくらでも(?)作れるんだけど、話そのものを売りにしちゃうと量産が効かないのよ」
え「でも、今回のは原作があってのコミック化ですし」
家「うん、だけど次に作品を描こうとしたら、やっぱりこういうマンガを期待されちゃうだろ? そこが作家としてよろしくない部分なのよ。まあ、YOKO氏はおそらく自分の修行も兼ねてコミック化したんだと思うから、あんまりわやわや言うことじゃないんだけどね。
 あとさ、これさ。最初から最後まで約二ヶ月って話だろ」
え「そうらしいですね。怒濤の二ヶ月」
家「二ヶ月で……女の子と出会ってから二ヶ月で……ヒック……そんな関係にまでなれるなんて……グスッ……うらやましいにも程があるっていうか……」
え「泣くな(笑)」