家「むかーしむかしの話だが、秋葉原の駅前に『いすずラーメン』というのがあったのよ。……いや、『ラーメンいすず』だったかな?」
え「出た、家主さんの思い出話。年寄りの話は長いんですよね……」
家「(無視)ところがいつの間にやらお店は消えて、コンビニになってしまった。……あれ? キヨスクだっけ?」
え「あの家主さん。語る前に一度確認してからしゃべってください(笑)。不確定情報ばっかりじゃないですか」
家「まあまあ。ともかくだよ、高校時代、俺はアキバに行くと必ず『いすずラーメン』でラーメンの大盛りを食って帰っていた。そういう思い出深いラーメン屋さんだったのだが……TBSラジオの『伊集院光 日曜日の秘密基地』で、『いすずラーメンの味を受け継ぐ店』として上野の『青龍』が紹介されたんだ。それで、いても立ってもいられず、食べにいったわけですよ」
え「へー。スゴイじゃないですか。ラジオで紹介されるぐらい、おいしいラーメンなんだ」
家「……実はそういうわけでもない(笑)」
え「あれ?!」
家「“毎日食べても飽きない味”というのが、いすずのウリでな。そんな、メチャクチャ美味いわけでもない。でも、実際に『青龍』に行って食べてみると、ああーーーーーーーっ、この味だ! って感動しちゃったねえ。お袋の味じゃないけど、記憶にちゃんと残ってた」
え「ふーん……まあ、ちょっといい話? でもないか」
 
家「……ここだけの話、“いても立ってもいられず”はウソです(笑)。ラジオで紹介されてから何ヶ月も経ってます」
え「ちょっと!」
家「あと、本当の話をすると、今日は『青龍』は閉まってました(笑)。仕方ないのではす向かいの『花の華』で食べてきました」
え「虚偽報告だ!」
家「いやいや、『青龍』には既に何度か食べに行ってるので。思い出の味はウソじゃない。おいしいよ♪」
え「取って付けたように……」