スペースレンジャー

 『スペースレンジャー バズ=ライトイヤー』。毎週欠かさず観ているわけだが、そのたびにため息が出る。ものすげえ密度の高さ。ちゃんとエンターテイメントして、ちゃんとテーマしている。基本スタイルが違うとはいえ、日本のアニメも見習って欲しい。『スペースレンジャー』は30分で、日本のアニメの2時間分のことをやってる。
 もっとも、これは「手塚漫画特有の密度の高さ」と同じ次元の話ともいえる。手塚先生の漫画は、やたら密度が高い。その分、「溜め」がない。だから感動しない。このことは手塚先生自身が認めていて、自分の漫画は教科書のようなもの、と述べていらっしゃる。文法としての漫画であり、作品としての漫画ではない、というわけだ。こうきてこうなってこうくれば、漫画orアニメとして形になる、というのを極めたのが手塚先生であり、ディズニーである。
 だから、本来なら「文法としてのアニメ」をやっている『スペースレンジャー』を「作品としてのアニメ」である日本のアニメと比較してはいけないのだが……本当に作品と呼んでいいのか? というアニメが多すぎ。「間」とか「空気感」とか、単に中身が薄いのをそういう言葉でごまかすのはずるいと思う。