藤井青銅先生

 発作的に検索。
http://www.asahi-net.or.jp/~MV5S-FJI/
 お元気そうでなによりである。『死人にシナチク』は俺にとって衝撃的な作品だった。『超能力はワインの香り』も、良い意味でのジュブナイル小説NHKでラジオドラマ化されていたのは知らなかったなあ。ていうかそもそも、俺にとっての藤井先生は作家の藤井先生で、放送作家の藤井先生ではないのだが。
 どんなジャンルでもそうだけど、最初にそのジャンルを開拓した人たちは、ジャンル外の世界からやってくる(当たり前だ)。だから、そのジャンルに特化した作家ではなく、「こっちのジャンルの仕事もできる」という懐の深さを持っている。水の上に少しだけ頭を出している氷山のように、見えないところにものすごいバックボーンを持っている。
 それが世代交代し、そのジャンルに特化した作家の世代になると、どうしても底が浅くなってしまう。衰退させないためには、常に「ジャンル外」へのアンテナを張って置かなくてはならない。ジャンル外から色々取り入れていかなければ、そのジャンルは澱み、死んでしまう。
 いわば意図的に混沌を生み出す作業だが、残念ながら世間では逆の流れが主流のようだ。やっぱり景気がなあ。