伊集院光の日曜日の秘密基地 おバ歌謡スペシャル

 素晴らしかった! 怒濤のおバ歌謡、歌い手からのメッセージ、ギルバート・オサリバンへのインタビュー! なかにし礼との対談には、感動すら覚えた!
 どうも勘違いしている人がいるようだが、『おバ歌謡』は歌詞がバカな歌ではない。たとえて言うなら、昔のロシアで実際にあったと言われる「ひげ税」みたいなバカさである。ピョートル大帝はウケを狙ってひげに税を課したわけではない。ひげに税を課せられてしまうような当時の状況と、実際に課したという事実。そこに面白さがあるのである。
 なかにし礼の訳詞でいうなら、彼は単に歌詞を日本語にするのではなく、歌自体を日本のものに、そしてなかにし礼のものにしようとしたのである。その結果出てきたのが「私としたことが〜」という、オサリバンの原曲には影も形もない言葉だったのだ。それは確かにバカであるが、媚びのないバカである。理想に殉じたバカである。それが人々の心を打ち、感動を呼ぶのだ。多分、本来目指していた感動とは別の形だろうが(笑)。
 今回の放送では、『戦え! ルーク』が秀逸だった。子門真人の『スターウォーズ』とはまた違う、ヒーローもののスターウォーズ。第二弾には是非収録して欲しい名曲である。