家「ラスボス撃破ぁ! 感動のエンディングが!」
え「ああ、ついに!」
家「そう、ついに風水師アルクゥが熟練度99に!」
え「違うだろ」
家「いやー、測ったかのように、ラスボス戦直前で99になったんだよね。なったからってシャドウフレアを連発してくれるわけでもなく。
 そうそう、途中でイエロードラゴンも一匹狩って、オニオンヘルムを手に入れたよ」
え「ひどい、そんなお使いのついでみたいに(笑)」
家「しょうがないだろ、向こうが襲ってくるんだから(笑)」
 
家「それにしても、久しぶりに『ゲームした!』って感じがするよ、FF3。Newマリオとか、あんなんゲームじゃない」
え「え!? マリオ批判!? ていうか、RPGとアクションじゃないですか。比較対象になるんですか?」
家「うん……時代も変わっちゃったし、俺も大人になっちゃったから、昔と今を単純に比べちゃいけないんだけどね。昔は、ゲームってクリアできないものだったんだよ」
え「難しかったってことですか?」
家「それもあるけど、そもそもクリアって概念自体が無かったの。単純なプログラムを長く遊んでもらうために、エンドレスなゲームが中心だったわけよ。そういう意味でゲームはオモチャだったのね。レゴとかミニカーみたいな、好きに遊んでくださいっていう」
え「はあ。いわゆる自由度ってやつですか」
家「自由度って言葉にしちゃうと、なんか違うんだよね……うまくいえないなあ。
 遊園地のアトラクションと、公園の遊具の違い、っていえば分かるかな。最近のゲームはアトラクション型なのよ。頑張ってアトラクションを増やして、選択肢はたくさんあります自由度いっぱいです、っていわれても所詮は有限の自由度なわけですよ。
 それに対してFF3は公園型なのね。大してストーリーもないしイベントもないし。谷をふさいでる岩を壊してあげたっていうのに、村人はずっと『岩がジャマで通れないんだ』って言ってるし(笑)
 変な話、『プレイヤーを感動させてやろう』感が薄いんですよ。泣かせてやろうとか笑わせてやろうとか、そういうのがない。世界やストーリーが押しつけられてない。とりあえず楽しい遊具……ジョブシステムとか召喚獣とか、そういうものだけ用意しておいて、あとはプレイヤーにおまかせっていう。そこがいいんだと思うのです」