家「今後、お金はどんどんデジタルな存在になっていくと思うのだよ」
え「はあ?」
家「もともとただの紙切れや金属片を媒体として、”これは○○円の価値がある”と取り決めしただけのものだから、お金ほど情報化しやすいものはないのだな。実際、金融機関では昔から数字上の取引でお金を移動させていたわけだし」
え「はあ」
家「そして、最近はスイカのようなICカードや、お財布ケータイのように、市井レベルでも『情報化されたお金』が利用できるようになってきた。
 そうすると、金銭の授受の記録も容易になると思うのだ」
え「そうですね、いちいち家に帰ってから家計簿につける……なんてしなくても良くなるかもしれませんね」
家「そう! お財布ケータイでお金を支払ったときに、『何にいくらお金を使ったか』が自動的に記録されるようになれば、自分の家計を見直すことができるようになると思うんだよ! 書籍代が多すぎるなー、とか! 缶ジュースに結構お金を使ってるなー、とか!
 これが実現したら、世の中から無駄遣いがなくなるかもしれない! 人類を幸福にする発明だ!」
え「……で? どんな無駄遣いをしたんですか、今日は?
家「……文房具屋でゲルマーカーっていう画材を見つけて、面白そうだから買ってみたんだけど……よく見たらまったく同じものを既に持ってた……」
え「……それは家計簿云々ではなく、記憶力の問題だと思います」