中華な人民

 まあ、大事に至らなくて良かった……かな? 中国を非難したい人にとっては、もうちょっと大事に至った方が良かったのかもしれないけど。
 「中国人は野蛮だ」とか「民度が低い」とか、色々言っているけれど、「それでどうする?」というところを議論しないのが日本人の悪いところだ。北京五輪をボイコットする、とかそういう話ではない。俺が尊敬している人に高坂正堯氏(既に他界)という人がいるが、「日本人は国際政治を与件と考える癖がある」と述べている。つまり、周りから干渉されて初めて行動を起こす人種だということだ。
 今回の件も、別にアジア杯開催前と開催中とで中国人の中身が変わったわけではない。開催が決まったときからすでに、こうなる危険性を認識しておかなければならなかったはずだ(少なくとも外務省あたりは)。でも、実際に問題が生じるまで何もアクションを起こさない。それが日本人だ。
 どんなに中国を罵っても、中国との付き合いを断ち切ることはできないんである。家電やらアニメやらフィギュアやら(笑)、日本が中国に依存している部分は山ほどある。もし断絶したいならその代替を探さなければならないし、それができないなら「どうすれば中国と仲良くなれるか」を考えなければならない。言い換えるなら、「どうすれば外から中国を変えることができるか」ということだ。